昔からテレビを見すぎると運動不足で肥満を招くように考えられてきましたが､あながち通説とあなどれない面もあります。
一般的に肥満気味の人は、空腹感や満足感を判断する体内の刺激に鈍感であり、食欲を誘発する外的な刺激（視覚・聴覚・味覚）にはすこぶる敏感であるといわれています。
テレビは、そういった意味で視覚と聴覚をとても刺激するのですが、実際に４７７１人の成人女性を対象に、テレビを観賞する時間と体重の増加の相関関係を調べた実験でも、1日に1時間以内しかテレビを見ていない人々と1日3時間以上テレビを見ていた人々では、テレビを長時間見ていたグループの方が約2倍肥満傾向が増大することが報告されています。（L.A.Tucker and M.Bagwell, “Television Viewing and Obesity in Adult Females”, Am J Public Health 81,1991）
長時間テレビ観賞肥満説の根拠はこれだけでなく、テレビ観賞から生じる恍惚感覚と生理活動の減少が、体の基礎代謝を下げることもわかっており、これもまた体重増加の一因となっていると考えられます。
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