前号では、赤(PITTA)タイプをご紹介させていただいた、インド伝承医学の「色体質別・食生活案」。今回は、緑(Kapha)と黄(VATA)タイプをご紹介させていただきます。どういう方が、緑と黄色に当てはまるかを復習してみましょう!
●緑(Kapha)タイプ
・体格がよく、均衡が取れている。また、動作がゆっくりで体重は増えやすく、減りにくい。洋梨型タイプ。
・肌は、柔らかくてつやがある。ややオイリー。
・髪の毛は、濃い。天然パーマ。色は金髪や明るい茶色。
・性格は、友達ができやすく、誰からも好かれる。落ち着いた、実行者タイプ。
・雨の少ない気候が好きで、体温は程よく保っている。
・食欲は程よくあり、スナック菓子が好きで食事を抜いてもさほど気にならない。
・呼吸器系によく問題があり、また肥満、糖尿病の傾向。
●黄(VATA)タイプ
・痩せていて、胸が薄く、関節が大きいなど、ちょっとバランスの悪い体型。動作が速い太鼓腹タイプ。
・肌は、乾燥していて、きめが粗い。また、爪や甘皮もとても弱い。ほくろが目立つ。
・髪の毛は、細くて、薄い。手入れをするのが大変で、色は黒い。
・性格は、感情の変化が激しく、やや気まぐれで、直ぐに気が散る。予見力があり、また想像力にとんでいる。
・暖かい気候、食べ物が好き。手や足が冷たくなりがちで、汗をめったにかかない。
・食欲はその日その日でむらがあり、目がさめると何か食べないと気がすまない。
・消化器官(胃腸にガスがたまるなど)、関節炎、神経系統のトラブル。
それでは緑タイプから紹介させていただきましょう。
●緑(Kapha)タイプ
<<食事案>>(緑+小麦色+白)
このタイプの人は、新陳代謝がゆっくりで、少しの食事をするだけで満足します。多くの人はウエイトロスがうまく行かずに挫折感を感じた経験があります。ただ食べ物を見ただけでも体重が増えてしまうような気する人が多いのが特徴です。緑タイプの問題点は、ジャンクフード、既製品やすぐに食べられる食品が好きで、そして安易に選んでしまいがちです。また、ジャンクフードなどではないと満腹感が得られないという所に、問題があります。
食べ物に対するフラストレーションを感じると、摂食障害をおこしやすいのもこのタイプの特徴です。ジャンクフード、そして食べ過ぎ、また寝る前に食べることを止めましょう。
このタイプの人は濃い緑色の物を食べましょう。全ての緑色の野菜、マスタード、ニンニクや玉ネギなどのネギ科の野菜は大変お勧めです。これらには、新陳代謝を良くし、体内から毒素を排出するファイトケミカルが含まれています。スパイシーで匂いの強い野菜がお勧めです。またアブラナ科の野菜、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、ケール、わさびなどの緑系のマスタードもこのタイプには体に合っています。このタイプの人は黒コショウ、トウガラシ、マスタード、生姜、カレーパウダーなどのホットスパイスを豊富に取るべきです。これらのスパイスは体温を上昇させ、代謝をよくしてダイエット中の人にはサポートします。そして呼吸器系の働きを良くします。
緑色のフルーツだけを食べ、チーズ、ミルク、油、甘い物、塩からい物、油っぽいもの、そして加工食品・ファーストフードを避けて下さい。穀物、パン、シリアルは大変よいのですが、生成した粉を使用したものは避けたほうが良いです。これは、弱気にさせたり神経を過敏にさせます。豆類と魚類は積極的に取って下さい。
緑タイプの主要な色は、緑色の野菜と果物です。また、忘れずに小麦色と白色の食べ物を補色として入れてください。(豆類・全粒粉の穀物、タマゴ、魚、鶏肉)
●黄(VATA)タイプ
<<食事案>>(黄色+小麦色+白)
黄色タイプは、豆類以外は何でも食べて良いです。豆類はガスを発生させるのであまりお勧めではありません。一番良いのはシンプルな食べ物で、こってりしたソースやドレッシングのかかっていないものです。食べ物を組み合わせて食べることによって消化不良やお腹にガスがたまるのを防ぐ事ができます。食べ物を組み合わせて食べることによって互いに補足しあいます。この組み合わせは野菜と米などの穀物が良く、カットしたフルーツやミンチ肉などは避けてください。また、肉などの動物性のタンパク質と植物でん粉(コーンスターチ、片栗粉など)を一緒に食べないことをお勧めします。ターメリック、生姜、シナモンなどのスパイスやハーブによって消化器官のトラブルを、ある程度克服することができます。また、このタイプは本質的に体温が低いので、暖かい食べ物と温かい飲み物はお勧めです。
黄タイプはレモン色、オレンジ、赤、黄緑などの暖色の果物と野菜が主要な色です。これらの食べ物は、強い抗酸化力のあるカロチノイドが含まれていて、体内で発生する活性酸素を消去します。カロチノイドの含まれる野菜はさまざまな種類があり、これは食事に含まれるファイトケミカルの働きを増進させます。
朝食はこのタイプにとって最も重要で、高タンパク質のものを取ることがお勧めです。お疲れ気味の方は、口当たりの良い高タンパク質や夕食の残りなどが良いです。また、最低でも1日3種類以上の果物を取ることが必要です。ジュースでは無く、そのままの果物は繊維が豊富ですので、このタイプの人に多い便秘の解消にもなります。他のタイプの人よりも油分を多めに取って下さい。油は魚の油、亜麻仁油、キャノーラ油、オリーブオイルが良いです。
かぼちゃ、とうもろこし、にんじん、さつまいも、スイートペッパー、アスパラガス、ブロッコリー、レタス、ほうれん草、ズッキーニもお勧めです。
補足的な食べ物としては、シリアル、米、チーズ、魚、鶏肉などです。黄タイプにとって赤身の肉(牛など)は消化するのがとても大変です。調理されたしっとり感のある食べ物が一番お勧めです。乾いたものやパリパリしたものも消化が大変です。そして黄色の食品と同様にバランスよく、同量の小麦色と白の食べ物も忘れずに食べてください。(全粒粉の穀物、タマゴ、魚、鶏肉)
推奨サプリメントと1日の摂取目安量
緑(Kapha)タイプ
■「ガーリック:400mg」
■「グリーンティー・エキス:250〜500mg」
■「カルシウム 1,000mg/マグネシウム 500mg」
■「クロミウム 200mcg」
●黄(VATA)タイプ
■「βカロチン:1カプセル」
■「アスタキサンチン:2mg」
■「コエンザイムQ10(CoQ10) 30mg」
■「アルファ・リポ酸:50mg」
■「フラックスシード・オイル:2カプセル」
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