アメリカ国立予防衛生研究所の報告発表によれば、現在アメリカの児童の3〜5%に注意力の散漫・無秩序行動を特徴とするADHD(注意欠陥多動性障害)と診断される可能性があるとしており、実際に約600万人の子供たちが同疾病の処方箋薬、中枢神経刺激剤であるリタリンを服用していると言われています。
ADHD児の症状は集中力の欠陥にあるように思われがちですが、ADHD児の多くは、「興味があるテーマ」には強い集中力を発揮し、図鑑を何時間も眺める、ゲームなどに異常なほど熱中する等の傾向がみられます。しかし、自分がさして興味がない事柄には取りかかることがなかなかできなかったり、注意散漫になる傾向があります。こうした子供たちには集中力が欠如しているのではなく、「集中の対象の焦点化」という点での障害であると考えられています。
ADHDはまれな病気ではなく、起業家や芸術家の大部分は多少なりともADHD傾向がみられるという学者もいます。しかし、症状が進行し、ADHDの2次症状である不安感やうつ症状、衝動的な発言や行動などが表れるようになれば、日常生活にも支障をきたすことになりますので、何らかの治療が必要となります。
ADHDと食生活との関係は古くから指摘されてきましたが、発病の考えられる原因のひとつとして、ある特定の食物や食品添加物が引き金となることが考えられています。つまり、これらの食物アレルギーがトリッガーとなって、ADHDが起こると考えられているのです。
実際にドイツやアメリカで行われた食物除去プログラムにおいては、乳製品、とうもろこし、大麦、小麦、チョコレートや他のお菓子、柑橘系の果物、着色料や他の添加物等を順番に取り除いた規定食を与え、アレルギー因子となる食物を特定し、その食物を除去することで、ADHDの子供の症状に改善効果がありました。
栄養学的な見地からは、ADHDの患者には、不飽和脂肪酸が体内に不足していることが古くから指摘されており、プルデュー大学や日本の防衛医科大学で研究された報告によれば、魚油に含まれるDHAを補うことでADHDの改善の可能性を指摘しています。
ある種の栄養素の不足からADHDが発病することは、マイケル・マレイら栄養学者も述べているところで、特に重要となる栄養素は、マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンB12、鉄、オメガ-3脂肪酸(DHA)、亜鉛などで、GABA、DMAE、フォスファジル・セリンといった脳内伝達物質に作用するサプリメントを摂取することによってADHD症状を改善することができたようです。
また、無秩序な攻撃行動、突発的な衝動行為の症状が見られる場合には、脳のセロトニンレベルを上げ、鎮静作用として働く5-HTPも有効と考えられています。5-HTPは、必須アミノ酸のトリプトファンから本来体内で生成されるアミノ酸の一種で、サプリメントの原料としては豆科植物より抽出されています。
いくつか列挙した栄養素のうちで、マグネシウムと亜鉛は、ADHDの改善にあっては特に重要なミネラルで、栄養療法を実践するアメリカの医師達の多くもADHD患者にこれらのミネラルの摂取を奨めています。
また、食事に関わるADHD発生の他の要因として、水銀や鉛などの重金属の過剰な蓄積、アステバームやグルタミン酸ナトリウムなどの食品添加物を多く摂りすぎることも原因となることがあります。その場合は、これらの添加物を除いた食事を心がけることで、有害な重金属の排出に関しては、ミネラルのセレニウムに排出を促す作用があります。
■■アテンティブ・チャイルド(お子様集中力強化)
DMAE、フォスファジル・セリン、DHAなどADHD栄養療法に必要な栄養素を複合的に配合しているお菓子タイプのサプリメントです。
配合量も子供用に少なく抑えています。
■■EPA/DHA
大人が摂取する場合にはフィッシュオイルを多めに摂りたい。
EPA/DHAの主成分のオメガ-3系のオイルは、生活習慣病の直接の因子となる悪性エイコサノイドを抑えるためにも有効です。
■■メンタル・エッジ
ビタミンB群にマグネシウム、亜鉛、DMAE、ピログルタミン酸を中心に配合した成人のADHD傾向に対応するサプリメント。
■■5−HTP 50mg
気持ちがイライラして何も手がつかないような時は、脳内伝達物質セロトニン前駆体の5−HTPを摂取するのが効果的かもしれません。空腹時に摂取します。
■■セレニウム
水銀などの重金属の体内蓄積が考えられるなら、セレニウムを積極的に摂るべきでしょう。
セレニウムには、免疫の低下を防ぎ、風邪等の感染症にかかりにくくなる予防効果もあります。
■「アテンティブ・チャイルド(お子様集中力強化) 」
■「EPA/DHA」
■「メンタル・エッジ」
■「5−HTP 50mg」
■「セレニウム」
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