フェニュグリークは日本人にとってまだまだ馴染みの浅いマメ科の植物ですが、その種子を乾燥させてスパイスにしたものは、カレーなどの調理に使われることもあります。
地中海地方が原産地であるフェニュグリークは、中国やインド、モロッコ、トルコなどで薬用ハーブとして広まり、現在、世界中で栽培されています。フェニュグリークの中で最も利用される部位は種子です。スパイスとしてはもちろん、胃腸のトラブルやバストを大きくする民間薬として愛用されてきました。
【フェニュグリークの血糖降下作用】
昔から民間薬として使われていたフェニュグリークですが、最近になって特に注目されるようになったのは、血糖値のバランスを良好に保つ作用、グリセミック指数(食べ物が血糖値を上げる、その上がりやすさを表したもの)を低下する作用、食欲コントロール作用によるものです。
フェニュグリークの健康面での利用価値を上げたのは、豊富に存在するガラクトマンナンと呼ばれる水溶性食物繊維です。ガラクトマンナンは水に溶けると、粘度が増すという性質を持っています。その為、ガラクトマンナンを多く含むフェニュグリークを摂取すると、胃内で粘度が増加し、胃の消化速度を緩やかにします。その結果、自然にブドウ糖の吸収もゆっくりになりますので、食後の血糖値も上がりにくい作用があります。さらに、継続的な摂取により、血糖値のバランスを保ち、健康な血糖値レベルの維持をサポートすると考えられています。
【カナダと日本で行われた実験】
フェニュグリークの種子エキスを原料にした特許商品「FenuLife」を用いたカナダの実験をご紹介いたします。10名の健康な被験者に、グルコース溶液と投与量の異なるフェニュグリーク・エキスを与えた実験です。この実験の際、オオバコやオート麦など、やはり血糖値低下作用があると言われる他の水溶性食物繊維がもつ効果の差も合わせて比較しました。その結果は、同量のオオバコやオート麦では何の変化も見せなかったのに対し、少量のフェニュグリーク・エキスで血糖降下作用が現れたとのことでした。
日本もある実験では、糖尿病の中でも大半を占めるタイプ、2型糖尿病におけるフェニュグリーク効果を調査しました。あるグループに最初の4週間は偽薬を与え、その後、本物のフェニュグリーク・エキスを4週間摂ってもらいました。やはり、偽薬摂取時に比べ、フェニュグリークを摂取している期間は空腹時の血糖値が下がっていることが認められました。
【フェニュグリークのダイエット効果】
血糖値のバランスを改善する作用の他に、フェニュグリークには期待のできるもう一つの働きがあります。ガラクトマンナンが胃の中で粘度を増し、胃を膨張させるため、満腹感が生じるのです。また、胃が空になるのを遅らせるのも手伝って、食欲を穏やかに抑えることができると言われます。
スパイスとしても活躍するフェニュグリークには、独特の臭いがありますが、パウダー状にしてカプセル化にすることで毎日気軽にお召し上がりいただけます。
■■「フェニュグリーク」
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