1960年代から70年代にかけて、日本では脳卒中の発生率と死亡率が高く、死亡原因の中でも第一位を占めていました。今では、脳卒中の死亡率は低下したと言われますが、それでも推定で30万人以上が発症しているとも言われます。脳卒中の中でも脳梗塞は、脳の血管が詰まり十分な血液が送られないために脳の神経細胞が死んでしまうことで起こります。これまで、日本人に脳梗塞が多いのは塩分の多い食生活が原因だと言われてきましたが、アルコールを分解する酵素の活性度の低さという遺伝的要因がかなり大きいことが日本医科大と国立長寿医療センターの大規模な疫学研究で新たに分かりました。
研究グループは1997年から愛知県で、無作為抽出した2267人を対象に行なっている疫学調査で、MRI検査で脳梗塞が認められた男性136人と女性79人に対し、肥満度や血中コレステロール濃度、喫煙や飲酒の有無などとの相関を調べました。
年齢の影響を補正した上、男性の中でアルコールを分解する酵素「ADH2(アルコール脱水酵素)」の働きが弱い方は、強い方に比べ、2.16倍も脳梗塞になった割合が多かったことが判明しました。ADH2はアルコールを分解する重要な働きをもつ酵素で、全ての人の肝臓に存在します。しかし、その働きの強さは両親から受け継いだ遺伝子で決まり、日本人の半分弱はこの酵素を持っていなかったり、働きが弱かったりするため、アルコールが長時間も体内に残る特徴があります。少量のアルコールで顔が赤くなり、悪酔いしやすいタイプが多いのです。日本人の女性に関しては、女性ホルモンがADH2を活性化する働きがあるので、脳梗塞の発症率との相関では顕著な差は見られませんでした。
男性の場合は、「アルコール分解が遅く、長時間ほろ酔い気分でお酒が飲める人は脳梗塞に注意した方がいい」と研究グループの太田成男・日本医科大教授は指摘しています。お酒は仲間と楽しく飲めば、ストレス解消につながる場合もありますが、やはり自分の適量を知り、ADH2処理能力以上の(つまり、悪酔いしない程度の)飲酒は総合的な健康のためには控えた方が良いでしょう。
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