私は目覚めのいいタイプではないので、毎朝目が覚めても、しばらくの間は体と頭が働かず、布団の中でぼんやりしてしまいます。冬は寒さがプラスされ、「ぼんやり」時間が長くなり、つい朝食を簡単に済まして出勤することも度々あります。
「朝食」を抜く傾向は、国内でも統計的に年々増加しているそうで、平成9年に発表された『国民栄養調査』によると、20歳代から30歳代の男性がもっとも朝食欠食率が著しく、約4人に一人が朝食をきちんと取っていません。次いで女性の20歳代の16%が続きます。さらに、今、深刻化が懸念されるのは、小学生、中学生、高校生の朝食欠食率の急増です。
和歌山県教育委員会が、県内の小学4年と中学1年の計2160人を対象にした生活習慣のアンケートと共通学力診断テストをクロス集計したところ、朝食を食べるなど生活習慣がきちんとしている子供のほうが成績が良いとの結果が出ました。
朝食に関しては、小学4年は「毎日食べる」が86.7%で、「食べない」が0.8%。4教科平均の正答率は「食べる子」が73.5%と高く、「食べない子」だと57.6%でした。中学1年の場合も「毎日食べる」は85.7%で、「食べない」は1.4%。正答率に関しては、やはり「食べる子」のほうが高い結果が出ました。
大阪教育大学の高橋誠教授(産業心理学)は、この調査結果は決して朝食を食べれば学力が上がるということを示唆しているのではなく、子供の生活習慣全体が学力に反映していると考えるべきだ、と話しています。
たしかに、朝食は一日のリズム作りに欠かせない役割を果たします。朝食を取ることで、血糖値も上がり、体温が上昇し、体全体が目覚めた状態になるのですね。
私たちの体は、寝ている間も、体内のブドウ糖(エネルギー源)を消費します。ブドウ糖は体内に貯蓄されないため、朝、目覚めたときには、エネルギー源はかなり消費されている状態です。そのため、ブドウ糖の材料である炭水化物(ご飯、パンなど)をとる必要があるのです。育ち盛りのお子様にとって、朝食は心身の健康のバロメーター。もちろん、大人になっても朝食は重要な意味をもちますので、毎日ゆとりを持って朝食時間を持ちたいものですね。
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