日本人は、麺好きな国民です。ラーメン、パスタ、うどんに加え、ソバ、素麺、ほうとうなど種類も豊富。麺のなかでも、古くから日本人に愛されているソバは、「年越し」や「引越」の際にも活躍するほど、風習や文化に根付いた食品です。
さて、低カロリーで他の穀物より栄養価の高いソバは、日本食ブームが今でも熱いアメリカで、近年の健康志向の波に乗り、「ダイエット&ヘルシーフード」としての市場拡大が期待されています。その波を追うように、ソバに血糖値を下げる働きがあることを突き止めた研究発表も報告されました。
この研究を実施したのは、カナダのマニトバ大学助教授、カーラ・テイラー博士で、約40匹のラットを使って実験が行われました。実験用に用意されたラットは、いずれもインスリン不足で起こる「1型糖尿病」ラットで、食後にソバから抽出したエキスを与えるグループと偽薬を投与するグループに分けて、血糖値を計測しました。
実験の結果、偽薬を与えられたラットよりも、ソバエキスを投与されたラットの血糖値が12%から19%も低かったことが判明しました。ソバのどんな成分が血糖値を下げるのに有効なのか、ということについては、この研究でははっきりと結果がでていません。しかしながら、最も有望視されている成分については、ソバにだけ多く含まれていて、他の食品にはほとんど見られない「カイロイノシトール」(chiro-inositol)だという考えが強いようです。
研究者は、中高年に多い生活習慣病としての糖尿病タイプ「2型糖尿病」に対してもソバが血糖値を下げる働きには変わりない、と見ています。この結果がヒトに対しても有効であることを再確認できれば、安全で安価なソバが糖尿病対策に有効な健康食品として、広く認められるようになるのではないかと研究者も話しているそうです。
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