先週16日配信号のメルマガにて、ソバに血糖値を下げる働きがあることを報告した研究内容をご紹介いたしました。今回は、そのソバの薬味に欠かせない『ネギ』にスポットを当てたいと思います。
『ネギ』と一言でいっても、関東で好んで食べられる「白ネギ」と関西で好んで食べられる「青ネギ」があります。中国地方出身の私の実家では庭に青ネギを植え、お味噌汁や冷奴にいつでも自家植えのネギが活躍しました。「白ネギ」も「青ネギ」も、味からすると、どちらも優劣つけにくいのですが、健康効果に関しては「青ネギ」に軍杯が上がりそうな研究報告が出されました。
5月13日から3日間にかけて東京農業大学世田谷キャンパスで開催された「第59回日本栄養・食糧学会大会」にて、血圧や総コレステロール、中性脂肪を下げる効果が白ネギよりも青ネギの方が強いという研究結果が発表されました。
オスのラットを4つのグループに分け、それぞれに栄養面で管理の行き届いたコントロール食、高脂肪高ショ糖食、5%青ネギを加えた高脂肪高ショ糖食、5%白ネギを加えた高脂肪高ショ糖食を4週間与えて血圧や血中コレステロール値を計測しました。
その結果、コントロール食を与えたグループに比べ、高脂肪食を与えた3グループはいずれも血圧上昇が認められましたが、その中でも血圧の上昇が最も抑制されたのは青ネギを加えた餌を食べたグループだったのです。白ネギを加えたグループでも上昇を抑える傾向はあったものの、それほど有意な差は認められませんでした。
血液中や肝臓での総コレステロール値と中性脂肪値に関しても、青ネギを加えたグループが、全ての数値において高脂肪食摂取グループの中でも有意な低下が認められました。さらに、肝臓内の脂肪酸分解系酵素の働きも4グループの中でもっとも活性度が高いという報告も発表されています。
青ネギのどの成分が血圧や脂肪低下に有効なのかは、今後の研究テーマになる、と研究を報告した大阪市立大学大学院生活科学研究科の山本由喜子氏は話しています。より詳細な「青ネギ」の健康パワーについての報告が待たれるところですが、青ネギ自体はカロチンやビタミン群、カルシウムなどを含む緑黄色野菜の一つです。現代人が悩みの種とする、血圧やコレステロール値対策に、薬味だけではもったいない「青ネギ」パワーの底力は今後も注目です!
■「ガーリシン」
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