5HTP(5−ヒドロキシ・トリプトファン)は、必須アミノ酸であるトリプトファンから生成される芳香族アミノ酸の一種です。「安全な成分」としての地位を築いてから30年あまりも経ちます。気分の向上、慢性的な全身の鈍痛解消、不安の減少、食欲の軽減、快適な睡眠などを求める人などにとって有効な成分として紹介されています。
5HTPの最大の特徴といえば、脳内の情報伝達物質セロトニンの産出に大きく関係することが挙げられます。セロトニンは、気分の落ち込み・不安感、睡眠、食欲、痛みの感覚に対して大きな役割をもつ物質で、体内でセロトニンが不足すると、さまざまな心身の不調を招くといわれています。このことから、5HTPをサプリメントとして摂取することは、セロトニン産出を助けることになるので、多くの健康効果が期待されています。
●5HTPと線維筋肉痛
なかでも、5HTPと線維筋肉痛の関係は、現在の医学界で注目を集めるところです。
スポーツや筋肉労働の後で筋肉痛を感じることは珍しいことではありません。しかし、体の広い範囲に筋肉の慢性的な痛みやコリがあり、その状態が三ヶ月ほど続く場合があります。この症状は線維筋肉痛と呼ばれ、多くの場合、疲労感、睡眠障害、しびれ、関節の腫れなどの症状を訴えます。線維筋肉痛の原因ははっきりと判明されていませんが、いくつかの研究では「セロトニン不足」が可能性として高いと考えられています。
ここに、5HTPを使った線維筋肉痛緩和の実験報告がありますのでご紹介いたします。50名の線維筋肉痛患者が、偽薬または1日100mgの5HTPを3回ずつ摂取したところ、5HTP摂取グループについて30日経過後に全身の鈍痛、寝起きの硬直感、睡眠の質、疲労が和らいだという結果が発表されました。摂取期間が90日に延びた場合でも、やはり5HTP摂取グループの全員に、痛みの緩和が認められたそうです。
●5HTPと気分の落ち込み
5HTPと「うつ」に与える影響もよく報告されています。1970年代から、これまで500名以上の患者が参加した研究が少なくとも15件にのぼり、実験に参加したうつ患者の56%が気分の向上や不安の減少を実感するなどどの研究も良い結果を残しています。5HTPの良い点は、一般的な抗うつ剤に匹敵する効果がありながら大きな副作用が報告されていないこと、そして効果が実感されるのにほとんどの人が2週間も要さないという点でしょう。気分がふさぎこみになりがちな際は、安全性の高いアミノ酸、5HTPを試してみてはいかがでしょうか。
その他、5HTPは肥満、慢性的な頭痛、不眠が気になる方にとって心強い味方になるかもしれません。インフルエンザに感染したときのように感じる体のあちこちの鈍い痛み、疲労、寝不足、頭痛が続いたら、この多才なアミノ酸5HTPがおすすめです。
■「5HTP」
■「カーボ・コントロール」
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